日に日に自宅へ帰りたい気持ちが高まっている。
最初の二日は夕方になると頭痛がし始め、夜は子どもと一緒に寝るような生活をしていた。大人が3人もいるのに、自分の時間が満足にとれないことに不満がつのり始めたので、今日はひとりで買い物に出掛け、何とか気持ちを立て直した。
お昼を挟んで4時間ほどひとりで過ごし、適度に散財して今後の生活に備え、帰りは祖母宅へ寄って小一時間ふたりでお茶をした。
普段なかなか会わない祖母と過ごす時間は、いつもファンタジーのようだ。
最寄りの駅から1kmほど歩いて祖母の家へ着く頃には汗だくになっていたので広い和室でエアコンをつけてのんびりしたいところだったが、家主がエアコンは要らないし場所は台所で良いと言うので、ごちゃついた机の上にお土産のわらび餅を置いて、他の荷物を床に下ろした。
冷たい飲み物を欲して冷蔵庫を開けると、あったのは微糖のコーヒーと見たことのない炭酸飲料とスポーツドリンクだけだった。改札を出たときにコンビニで飲み物を買わなかったことを悔やんだ。無糖であればコーヒーでも良かったのに。仕方がないので、いつ作られたか分からない怪しい氷で買ったばかりの紅茶を使ってアイスティーを淹れた。バラと桃のフレーバーティーは、祖母にはバラという単語も伝わらなかったし、味もよく分からないと言われたが、最終的には美味しいと言っていたので安心した。
おやつのわらび餅も、近ごろはあまりお腹が空かないから要らないと最初は言っていたが、せっかくだからひとつだけ、と取り分けたらフォークを探している間にペロリと平らげていて、結局ふたつ食べた。私は美味しく3つ頂いた。
とりとめのない会話をしていたらやがて母と子どもが私を車で迎えに来てくれたので、また来て一緒にお茶をする約束をして家を出た。別れ際の車が出るまで見送ってくれた祖母の笑顔がとても良いものだったので私まで嬉しかった。
3日目をなんとか終えて、残り4日。